2012年1月9日

近年稀に見る劇的な選手権決勝



高校サッカーの決勝を観に、国立へ行ってきました。





国立に行くのは、去年の高校サッカーの準決勝以来だから、ちょうど1年ぶりぐらい。

個人的に、国立はかなり好きなスタジアムなので、
1年に何回も来たいねんけど、肝心のガンバさんがここ2シーズンほど、
国立で試合をやってくれないもんやから、なかなか来られへんのよね。

果たして、今年はガンバの試合で国立に来る事はあるんやろうか…
まあ、そういう愚痴は横に置いといて、高校サッカーの決勝の事書こ。


市立船橋21四日市中央工業


ここまでの両校の勝ち上がりを見てると、
守りの市船、攻撃の四中工っていうチームカラーははっきりとしてたから、
どちらが自分達の得意な形に持ち込んで、
試合のペースを握れるかがカギになってくるかな。

…と、思って試合を見始めたら、いきなり四中工がCKから、
2年生エース浅野のゴールで先制。

自分達の代名詞であるセットプレーで、逆に失点してしまった市船は、
明らかに集中して試合に入って行けてなかったね。

失点したとはいえ、まだ前半やから挽回できるチャンスはいくらでもあるはずなんやけど、
国立の決勝という大舞台で、高校生にそこまでのメンタルの強さを求めるのは酷なのか、
市船は失点してから、明らかに縦に急ぎ過ぎてるように見えたね。



逆に四中工の方は、準決勝の尚志戦で見せたような、
サイドを広く使う攻撃がこの日も健在。

右サイドからは寺尾が個人技で突破を図れば、左サイドは田村・藤山の連携で崩し、
中央にはエース浅野が待ち構えるという攻撃パターンは、
岩渕目掛けたロングボール一発しかない市船と比べたらよっぽど見応えがあった。

スタンドでは、市船が応援のバリエーションと声量で四中工を圧倒してたのに、
ピッチの上では四中工が攻撃のバリエーションと運動量で市船を圧倒しているというのは、
なんか不思議な光景やったわ。



後半に入ると、徐々に市船がペースを取り戻し始めた。

前半は、岩渕にロングボールを放り込んでも、中盤の押し上げが遅く、
和泉と2人で攻めるような場面が多かったけど、
後半は、そこらへんが修正されてて、杉山や菅野が攻撃に絡んでくる場面が増えたね。

それに伴い、前半はほとんど拾えなかったセカンドボールも、
市船が拾えるようになり、四中工を押し込み、セットプレーも多く貰っていた。

ただ、市船はそのセットプレーをなかなかモノにできなかった。

後半に入ってから、四中工がCKの際は前線に人を残さずに全員戻って、
粘り強くディフェンスをしていたので、
この守備を崩すのはなかなか大変やなと思って見てたね。



このまま四中工が逃げ切ると思われた後半ロスタイム、
“水滴が岩を穿つ”とはまさにこの事。

何度目かわからないほど繰り返したCKからのこぼれ球を、
市船のエース・和泉が押し込んで、市船が土壇場で同点!!

ここまで四中工は集中して粘り強く守っていたけど、
こういう事が起こってしまうのが、まさに高校サッカーって感じやったね。

四中工からしてみれば、主導権を握っていた前半に、
もう1点取れなかったのが、最後の最後でのしかかったね。



そして、延長戦後半5分。

ここでも、こんな大仕事をやってのけてしまう事が、
名門・市船の10番を背負っている所以なんやろうね。

左足でシュートを打つのかと思いきや、鋭い切り返しでマーカーを外し、
右足で、あえてコースの無いニアサイドをぶち抜いたシュートは、圧巻の一言。

これだけの選手が、どこのJクラブからも声が掛からないなんて、
不思議でしょうがないわ。



近年稀に見る、劇的な展開で幕を閉じた今年の選手権。

市船の選手達にはおめでとうと言ってあげたいし、
四中工の選手達は、負けたけど、試合内容はとても好感の持てるものやった。

ただ、1つ残念だったのが、四中工のキャプテンの國吉選手が、
この決勝に累積警告で出場できなかった事。

高校サッカー3年間の集大成である決勝のピッチに立てないなんて、
言葉で言い表せないぐらいすごく悔しいはず。

杓子定規に、イエロー2枚貰ったら累積で出場停止ってするんじゃなくて、
決勝に勝ち進んだ時点で、両チームの累積警告はクリアするとか、
そういう風に大会規定を変えられへんのかな。

まあ、四中工は2年生中心のチームやから、来年も選手権に出てくると思う。

もし、来年も決勝を戦う事があったら、
ベストメンバーで戦わせてあげたいなと願ってみたりするんよね。
















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