2014年7月14日

ドイツが強かったから優勝したという実にシンプルな話



ドイツ10アルゼンチン


ブラジルで開催されるW杯で、
ブラジルの宿敵アルゼンチンが黄金のトロフィーを掲げ、
それをブラジル国民が苦虫を噛み殺したような表情で見つめる、
というシチュエーションに期待して、今大会はアルゼンチンを優勝予想していた自分。

残念ながら、その予想は外れてしまったけど、
準決勝、3位決定戦と、かつて無いほどの恥辱を味あわされたサッカーの王国に、
これ以上の辱めを受けさせるとなると、
さすがにサッカーの神様の人格を疑いそうになるから、
今大会はドイツが優勝して良かったと思う。

グループリーグからのドイツの戦いぶりを見てると、優勝は順当だと思うけど、
本大会前は、両SBとボランチにケガ人が続出して、
コンディションが整わないメンバーで決勝までの7試合を戦うのは、
正直、苦しいんじゃないだろうかと思っていた。

ところが、ドイツと言う国は不思議なもんで、
こういう逆境に立たされた時ほど力を発揮するんよね。

ラームやシュバインシュタイガーなんて、
ケガしてた事を忘れてしまうかのようなパフォーマンスやったし。

思えば、2002年の日韓W杯で準優勝した時のドイツも、
2年前のユーロでグループリーグ敗退、W杯予選のイングランド戦でも、
オーウェン1人に完膚なきまでに叩きのめされたりして、
決して前評判の高いチームじゃなかったしね。

かつての、いかつい男達がパワー重視のサッカーで、
相手チームをねじ伏せていた頃のドイツ代表と比べれば、
今のドイツ代表は随分様変わりしたけど、チームに根付くゲルマン魂は、
時代が変わっても脈々と受け継がれているんやなって思ったわ。



敗れたアルゼンチンは、大会を通して守備は安定していたけど、
メッシ中心のチーム作りをしていたせいか、
メッシがダメだとチーム全体が機能不全に陥る感があるよね。

特に、守備をしないメッシに代わり、
前線での汚れ仕事を一手に引き受けていたディ・マリアがケガで欠場してから、
その傾向が顕著になったように思う。

今大会のアルゼンチンはメッシ次第では無く、
マスチェラーノ次第だという声も聞かれたけど、
マスチェラーノは守備での貢献度は高くても、
試合を決めることができるタイプの選手じゃないしね。

1人の選手に依存したチームを作った代償を負わされたって感じかな。

ただ、今年に入ってからのメッシのパフォーマンスの悪さは、
思わず心配になってしまうところがある。

この試合でも、試合中に嘔吐していたらしいしね。

27歳と、これから先のキャリアもある選手なだけに、
病でそれを棒に振るなんてことがないといいんやけどね。



今大会は、スペインやイタリアのように、
パスサッカーを志向するチームの結果が伸び悩んで、
オランダやアルゼンチンのようなリアクションサッカーが、
結果を残す大会になった。

ただ、だからと言って、リアクション型のサッカーの時代が来たとは思わない。

優勝したドイツはパスサッカーだと言われるけど、準々決勝のフランス戦のように、
セットプレーで挙げた1点をしぶとく守り切るようなサッカーもやってるし、
試合展開や局面によって、上手く使い分けてるなという印象がある。

思えば、パスサッカーで大会を制したと言われる、前回大会のスペインも、
決勝トーナメントに入ってからの4試合は、
全て1点差をしぶとく守り切ったという事実を忘れてはいけない。

今大会は、たまたまリアクション型のサッカーが結果を残しただけ。

いつの時代も、強いチームっていうのは、試合状況や対戦相手の特徴によって、
スタイルを上手く変えられるチームなんだなと、
改めて実感する事になったW杯やったわ。














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